このページは、名義を変えないまま年月がたった不動産の相続登記についてのご案内です。亡くなった祖父や曾祖父の名義のままの土地、県外に住んでいて見に行けない和歌山の実家、どこに何筆あるか分からない田畑や山林などを、和歌山オフィスの司法書士が順を追って整理します。
こんな不動産の名義変更で止まっていませんか
● 固定資産税の通知書を見たら、祖父や曾祖父の名前が書かれていた
● 相続人が10人を超えそう、会ったことのない親戚も相続人になるらしい
● 県外に住んでいて、和歌山の実家や土地をなかなか見に行けない
● 田畑や山林がどこに何筆あるのか、家族の誰もはっきり分からない
● 名義を変えたあと、売るのか手放すのか、まだ決めきれていない
一つでも当てはまる場合は、このページの順番で進めると、何から手を付ければよいかが見えてきます。
放置した年数が長いほど増えること
相続登記は、2024年3月までは「いつまでに」という期限がありませんでした。そのため、名義人が亡くなってから一世代、二世代と過ぎた不動産が珍しくありません。年数がたつほど、次の3つが重くなっていきます。
相続人が世代ごとに増える
名義人の子が遺産分割をしないまま亡くなると、その子の配偶者や孫が権利を受け継ぎます。これが重なると、祖父名義の土地の相続人が、おじ・おば、いとこ、さらにその子どもまで広がることがあります。
遺産分割の話し合いは相続人全員で行う必要があるため、人数が増えるほど、連絡を取り、署名と実印をそろえる手間が増えます。相続が重なったときの考え方は「代襲相続」と「数次相続」の違いで解説しています。
古い戸籍が読みにくく、集める役所も増える
何代分もの相続人を確かめるには、明治・大正・昭和の古い戸籍(除籍や改製原戸籍)までさかのぼります。手書きで読み取りにくいものが多く、本籍を移していれば請求先の役所も増えます。
本籍地以外の市区町村の窓口でまとめて戸籍を請求できる「広域交付」の仕組みもありますが、請求できるのは本人・配偶者・父母や子など直系の家族の戸籍に限られ、兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍は対象外で、代理人による請求もできません(戸籍法120条の2)。何代分もの相続では、結局ひとつずつ役所へ請求する場面が残ります。
期限と過料(要点)
2024年4月1日から、相続登記の申請は義務になっています。相続人であることと不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければならず(不動産登記法76条の2第1項)、正当な理由がないまま期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象となり得ます(同法164条1項)。
2024年3月以前に亡くなった方の不動産も対象です。その場合の3年は、「知った日」と2024年4月1日の遅いほうから数えます(民法等の一部を改正する法律〔令和3年法律第24号〕附則5条6項)。以前から相続を知っていた場合は、2027年3月31日が期限です。
和歌山で祖父名義のままになっている例と期限の数え方は、祖父名義のままの実家・土地の期限と進め方でくわしく取り上げています。制度全体は相続登記の義務化の解説をご覧ください。
和歌山オフィスが進める順番
① 不動産を洗い出す
固定資産税の納税通知書、市町村の名寄帳(その方が市町村内に持つ不動産の一覧)、法務局の登記簿をつき合わせて、名義人の土地・建物がどこに何筆あるかを確かめます。評価額が小さく固定資産税がかからない山林や田畑は、納税通知書に出てこないことがあるため、名寄帳での確認が欠かせません。
あわせて、亡くなった方が登記名義人として記録されている不動産を法務局で一覧にして証明してもらう「所有不動産記録証明書」も、相続人から請求できます(不動産登記法119条の2第2項)。これも名寄帳や登記簿とあわせて確かめます。
② 何代分の相続人かを確かめる
名義人から現在まで、亡くなった方ごとに出生から死亡までの戸籍をそろえ、誰が相続人になるのかを確定します。相続が何度も重なっている場合は、その流れを相続関係説明図(家系図)にまとめ、相続人の皆さまに見ていただける形にします。
あわせて、法務局で法定相続情報一覧図の写しを交付してもらうと、その後の銀行などの手続きで、戸籍の束を出し直さずに済む場面が増えます。
③ 遠方の相続人とも郵送で書類をまとめる

誰がどの不動産を受け継ぐかが決まったら、遺産分割協議書を作り、県外にお住まいの相続人の方にも郵送で署名・押印(実印)と印鑑証明書をお願いします。初めて連絡を取る親戚の方には、事情を説明するお手紙を添えて送ります。
話し合いがすぐにまとまらない、連絡の取れない人がいる、という場合は、まず「相続人申告登記」で期限内の義務を果たす方法があります(不動産登記法76条の3第1項・第2項)。ただし、これだけでは名義は変わらないため、売却するには遺産分割と相続登記が別に必要です。分割がまとまったら、その日から3年以内に登記します(同条第4項)。
所在の分からない相続人がいる場合は、家庭裁判所で不在者財産管理人を選んでもらう方法など、事情に応じた手段をご説明します。
④ 申請して、登記簿で完了を確かめる
不動産のある場所を受け持つ法務局へ相続登記を申請します。和歌山県内でも、市町村によって受け持つ法務局が分かれています。申請のときに納める登録免許税の額と計算のしかたは、相続登記の費用と登録免許税のページにまとめています。

登記が終わったら、登記事項証明書を取って名義が正しく書き換わったかを確かめ、新しく名義人になった方に通知される登記識別情報(不動産登記法21条)とあわせてお渡しします。
登記の後、その不動産をどうするか
名義を整えるのは、その不動産をどうするかを決めるための第一歩です。ご相談では、登記のあとの見通しも一緒に整理します。
売る
買主へ名義を移す前提として、まず相続人の名義にしておく必要があります。売却の仲介・査定・買取などの宅地建物取引業は、ARIAグループの不動産部門である株式会社ARIA Partnersが受け持ち、相続登記や遺産分割協議書の作成など司法書士の仕事は当事務所が受け持ちます。両方の進み具合を当事務所が窓口となってお伝えします。
売却を前提にした登記の進め方は相続した不動産を売却予定の方へ|売却前に必要な相続登記・名義変更についてをご覧ください。
国に引き取ってもらう
相続などで取得した土地は、法務大臣の承認を受けて国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」を使える場合があります(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律2条1項)。
無料で引き取ってもらえる制度ではありません。申請のときに審査手数料を納め(同法3条2項)、審査に通れば、申請した人が負担金(その土地の10年分の標準的な管理費用をもとに算定される額)を納めて、国に引き取ってもらいます(同法10条1項)。負担金を納めた時に、土地は国のものになります(同法11条1項)。
建物が建っている土地や、境界がはっきりしない土地などは申請自体ができないため(同法2条3項)、まず要件に当てはまるかを確かめるところから始めます。和歌山の山林・農地を例にした説明は和歌山の山林・農地を国に引き取ってもらう方法にまとめています。
当面は持っておく
すぐに売る予定がなくても、名義を今の相続人に整えておけば、次に相続が起きたときにさかのぼる世代が一つで済みます。固定資産税の通知を誰が受け取るか、草刈りや建物の見回りを誰が担うかも、この機会に話し合っておくと安心です。
放置していた不動産の解決事例
家督相続が適用されるほど長年放置された土地の名義変更を行ったケース
長期間空き家となった不動産の相続登記と処分方法を整理した和歌山の事例
そのほかの事例は解決事例の一覧でご紹介しています。
かかる期間の目安
名義を変えずにいた期間が長い不動産ほど、相続人の確認に時間がかかります。相続人が多い場合や県外にお住まいの方がいる場合は、書類の郵送のやり取りだけで数か月かかることもあります。
目安として、相続登記までなら6か月ほど、売却や引き取りまで進める場合は、それより長くかかることがあります。
| 相続手続きの流れ | スケジュール(目安) |
|---|---|
| 相続人調査(戸籍の収集) | 1~2ヶ月 |
| 相続不動産の調査 ・ 財産目録の作成 | 2~3ヶ月 |
| 相続方法の検討(相続放棄は、相続を知った時から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述) | ~3か月 |
| 遺産分割協議 | 3~4ヶ月 |
| 土地・建物など不動産の名義変更 | ~6ヶ月 |
| 売却・引き取りなどの手続き | 6ヶ月~ |
費用の目安(放置・複雑な不動産の場合)
報酬は、ふつうの相続登記と同じ基本報酬から始まります。数世代にわたって登記がされていない不動産のように、調査が大がかりになる場合は、無料相談で事情を伺ってからお見積りをお出しします。戸籍集めから任せるか、申請だけ頼むかで選ぶ場合は、ふつうの相続登記の3プラン比較もあわせてご覧ください。
相続登記(相続した不動産の名義変更)について
| 料金体系 | 報酬額(税込) |
|---|---|
| 相続登記の基本報酬 | 66,000円(税込72,600円)~ |
| 不動産の数が2件以上の場合 | 1,100円/1件あたり |
| 登録免許税 | 不動産評価額の0.4% |
| 戸籍謄本の取得・郵送費用 | 実費 |
| 特殊・複雑な不動産の場合 | 別途加算になる場合あり※ |
※ 詳細は無料相談にて、お見積りをお出しいたします。
※ 「特殊・複雑」とは、数世代にわたって相続登記がされていない不動産、海外の不動産、所有者がわからない不動産など、調査や手続きが困難なものを指します。
相続した不動産の売却・お困り不動産の引き取りについて
※不動産の売却・媒介・買取・査定等は、ARIAグループの不動産部門である株式会社ARIA Partnersが担当する業務です。司法書士法人ARIAグループの司法書士報酬とは別の費用です。
| サービス内容 | 報酬額(税込) |
|---|---|
| 不動産の売却 | 売却価格の1.5~3% |
| お困り不動産の引き取り | 個別にお見積り |
※詳細は無料相談にて、査定額と合わせてお見積りをお出しいたします。
※「お困り不動産の引き取り」は、不動産の状態に応じて方法が変わります。株式会社ARIA Partnersで引き取る場合のほか、引き取りを扱う別の業者をご紹介する場合や、相続土地国庫帰属制度を使う場合もあります。国庫帰属制度を使う場合は、審査手数料と、承認後に納める負担金がかかります(上の「国に引き取ってもらう」をご覧ください)。
ご相談の進め方(県外にお住まいの方も)
① まずはご連絡ください
お電話(0120-924-542)、LINE、お問い合わせフォームのどれからでも受け付けています。フォームは24時間送信できます。県外にお住まいで和歌山オフィスまでお越しになるのが難しい方は、オンラインでの面談のほか、大阪オフィスでの面談もお選びいただけます。ご依頼後の書類のやり取りは郵送で進められます。
② 面談で状況を整理します
名義人の方が亡くなった時期、分かっている相続人、不動産の場所などを伺い、どこから調べるか、どのくらいの期間がかかりそうかをお伝えします。分からないことが多くても、そのままお越しいただいて構いません。
次の資料をお持ちいただくと、より具体的なお見積りができます。
【お持ちいただきたいもの】
□ 相続財産の資料
□ 相続人の概要を書かれたメモ
□ ご身分証明書 / □お認印
□ 固定資産税の納税通知書(お手元にあれば)
□ 権利証(登記済証)(お手元にあれば)
□ お手元にある戸籍(お手元にあれば)
③ お見積りとご契約
面談のあと、ご依頼をお考えの方には費用の概算をお伝えします。ご家族と相談してから決めたい場合は、いったんお持ち帰りいただけます。ご納得いただけたら、必要書類にご記入いただいてご契約となります。
和歌山から離れてお住まいの方の手続き全般は、遠隔地の相続手続きのページもご覧ください。
放置・遠方の相続登記でよくあるご質問
Q. 何十年も前の相続でも、今から登記できますか
A. できます。名義人の方が亡くなった時期が古くても、戸籍をさかのぼって相続人を確定すれば申請できます。亡くなった時期によっては、今の民法ではなく当時の決まり(家督相続など)で相続人を判断することもあるため、まずは名義人の方の亡くなった年を手がかりに調べ始めます。
Q. 相続人の一部と連絡が取れません
A. 戸籍の附票などで今の住所を調べ、事情を書いたお手紙でご連絡するところから始めます。どうしても所在が分からない場合は、家庭裁判所の手続きを使う方法があります。期限が近い場合は、先に相続人申告登記をしておくこともできます。
Q. 和歌山まで行けなくても頼めますか
A. 頼めます。面談はオンラインで行えるほか、大阪オフィスでもお受けしています。戸籍や遺産分割協議書などの書類のやり取りは郵送で進められ、不動産の所在地を受け持つ法務局への申請も当事務所が行います。
Q. 売るかどうか決まっていなくても相談できますか
A. はい。まず名義を整え、そのあとで売る・国に引き取ってもらう・持っておく、のどれにするかを考える方もいらっしゃいます。売却を考える段階になったら、株式会社ARIA Partnersと連携してご案内します。
Q. 期限はいつまでですか
A. 2024年3月以前から相続を知っていた不動産は、2027年3月31日までです。2024年4月1日以後に知った場合は、相続人であることと不動産を取得したことの両方を知った日から3年以内です。くわしくは祖父名義のままの実家・土地の期限と進め方をご覧ください。
Q. ふつうの相続登記はどこを見ればよいですか
A. 亡くなって間もない方の名義変更など、一般的な相続登記の費用やプランの違いは、和歌山の相続登記サポート(費用・プラン・流れ)のページで比べられます。
登記のあとの売却まで、グループで続けてご相談いただけます
名義変更(相続登記)は司法書士法人ARIAグループが、売却・査定・買取は不動産部門の株式会社ARIA Partnersが受け持ちます。ご相談の窓口は当事務所でお受けします。
司法書士法人ARIAグループ 和歌山オフィス
〒640-8341 和歌山市黒田三丁目13番20号 オフィスうおずみ202号
TEL 073-471-0888(フリーダイヤル 0120-924-542)

