和歌山で孫に財産を残したい方へ|生前贈与の注意点と、いま使える非課税制度

「元気なうちに、孫のために何か残しておきたい」。和歌山で実家や田畑、家業を次の世代へつないでいく場面で、こうしたお気持ちを伺うことがよくあります。

お孫さんへの贈与は、たしかに有力な選択肢です。ただし、渡し方を誤ると効果が失われることがあり、さらに2026年3月末で終わってしまった制度もあります。いまの時点で何が使えて、何に気をつけるべきかを整理します。

お孫さんへの贈与が選ばれる理由

亡くなる前の一定期間内の贈与を相続財産に足し戻す「生前贈与加算(持ち戻し)」。この対象になるのは、相続または遺贈によって財産を取得した人です。

お孫さんは通常、相続人ではありません。したがって、原則としてこの足し戻しの対象から外れます。子から孫へと一段ずつ渡すのではなく、一世代とばして財産を動かせる点が注目されてきました。

【前提】 ここでいう持ち戻しは、暦年課税を選んでいる場合の生前贈与加算の話です。相続時精算課税を選択しているときは、まったく別の取扱いになります。

あわせて、加算される期間には経過措置が置かれています。2026年12月31日までに開始した相続では、原則として相続開始前3年以内の贈与が対象です。7年分がまるごと対象になるのは、2031年1月1日以後に開始する相続からです。

孫でも足し戻しの対象になってしまう場合

判定の軸は「孫かどうか」ではありません。その方が相続や遺贈によって財産を取得したかどうかです。次に当てはまると、お孫さんでも加算の対象になります。

  • 遺言によって財産を受け取った場合(遺贈)
  • 代襲相続人として、実際に相続財産を取得した場合。代襲相続人という立場にあるだけでは足りず、財産を取得したことが必要です(関連:代襲相続と数次相続の違い
  • 亡くなった方が保険料を負担していた死亡保険金など、みなし相続財産を受け取った場合。なお「500万円×法定相続人の数」という生命保険金の非課税枠は、原則として相続人が受け取った分に限られます。相続人でないお孫さんが受け取る保険金には、この非課税枠は使えません
  • 亡くなってから3年以内に支給が確定した死亡退職金など、みなし相続財産を受け取った場合

さらに、お孫さんが遺贈やみなし相続財産を取得したときは、代襲相続人であるなどの場合を除いて、相続税額が2割加算されることがあります。

「孫にしておけば安心」と考えて生命保険の受取人をお孫さんにしているケースは、意図せずこの落とし穴にはまります。受取人の指定は一度確認しておくことをおすすめします。

「名義だけ孫」になっていませんか

お孫さん名義の通帳をつくって毎年入金している、というお話をよく伺います。しかし、そのお金を実際に動かしているのが祖父母のままだと、税務上は贈与者本人の財産(いわゆる名義預金)と評価され、相続財産に取り込まれてしまうことがあります。

そうならないために、次の3点を押さえてください。

  1. 誰から誰へ、いつ、何を渡したのかを書面に残す(贈与契約書)
  2. 通帳・印鑑・キャッシュカードは受け取った本人が保管し、自分で使える状態にしておく
  3. 手渡しではなく振込にするなど、お金が動いた記録を残す

お孫さんがまだ未成年であれば、親権者の方が代わって管理することになります。問題になりやすいのは、贈与したはずの祖父母が通帳を手元に置いたままにしているケースです。

もっとも、契約書さえ作っておけば安心、というものではありません。 贈与の合意があったか、資金が実際に移ったか、その後どう管理・処分されているか。こうした事情を総合して判断されます。

名義預金にあたるかどうかの最終的な税務判断は、税理士の職域です。当法人は、登記に必要となる贈与契約書等の作成という形でご支援します。

教育資金の一括贈与は、2026年3月末で終わりました

祖父母から教育資金をまとめて渡す場合に、最大1,500万円まで贈与税がかからないという特例がありました。この制度は令和8年(2026年)3月31日で適用期限を迎え、延長されませんでした。したがって2026年4月1日以後、新たに利用することはできません

すでに3月31日までに教育資金管理契約を結んで拠出された資金については、引き続き非課税の取扱いが続きます。口座を開設済みの方は、契約が終了するとき(受贈者が原則30歳に達したとき。在学中などの場合は最長40歳まで延びる例外があります)の残額の扱いに注意してください。

なお、この特例がなくなっても、扶養義務者が、通常必要と認められる範囲の学費や生活費を、必要になった都度負担する場合には、原則として贈与税はかかりません。孫の入学金を祖父母が都度支払う、といった形は従来どおり可能です。特例終了後も、この都度贈与や暦年課税による贈与といった方法が残っています。どれが有利かは事情によりますので、税理士にご確認ください。

結婚・子育て資金の特例は2027年3月末まで

もう一方の、結婚・子育て資金を一括で渡す場合の非課税措置(最大1,000万円)は、令和9年(2027年)3月31日まで残っています。受贈者は18歳以上50歳未満であること、前年の合計所得金額が1,000万円以下であることが条件です。

実家や田畑を孫に渡すときは、先にコストを確認してください

現金の贈与と違い、不動産を生前に動かすと、相続で受け継ぐ場合よりも登記にかかる負担が重くなります。

生前に贈与する 相続で受け継ぐ
登録免許税(原則税率) 不動産の価額の2.0% 不動産の価額の0.4%
不動産取得税 原則として課税 原則として非課税

※不動産取得税には免税点や住宅等の軽減措置があり、登録免許税にも一定の免税措置があります。

このうち登録免許税は登記申請に伴う費用ですので、当法人で見積額をお出しできます。一方、不動産取得税は都道府県税であり、贈与税とあわせた税務上の判断は税理士等にご確認いただくことになります。

農地を贈与するには農業委員会の許可が要ります

和歌山では、みかん畑や田を含めて次の世代に渡したいというご相談が少なくありません。ここで見落とせないのが、農地の贈与には農地法3条の許可(農業委員会の許可)が必要だという点です。

許可を受けずに行った権利移動は、効力を生じません。「贈与契約書は作った、登記も頼むつもりだった」という段階で止まってしまう例があります。

これに対し、相続によって農地を取得する場合は許可ではなく農業委員会への届出で足ります。生前に渡すのか、相続で承継するのかで、手続きの重さがまったく違うということです(関連:和歌山の山林・農地を国に引き取ってもらう)。

農業委員会への許可申請・届出は、同じグループのARIA行政書士事務所が担当します(司法書士法人とは別の事務所ですので、ご契約と費用は分けてご案内します)。

当法人がお手伝いできること

はじめにお伝えしておきます。相続税や贈与税の負担をどう抑えるか、どの方法が有利かという判断は税理士の職域であり、当法人ではお答えできません。

当法人が担当するのは、次の部分です。

  • ご家族の関係と、実家・田畑・山林などの権利関係の整理
  • 不動産を贈与する場合の登記申請と、その登記に必要となる贈与契約書等の作成
  • 登録免許税のご案内
  • 遺言作成支援、家族信託に伴う登記その他の手続支援

まとめ・ご相談

  • 孫に実家や財産を残したいが、進め方が分からない
  • 孫名義の口座が名義預金と見られないか心配
  • いま使える制度と、終わってしまった制度の区別がつかない
  • 田畑を含めて渡したいが、何から手をつければよいか分からない

渡し方が決まっていない段階でも大丈夫です。 まず、どの財産をどなたに、どういう順序で渡していくのかを一緒に整理するところから始めます。

司法書士法人ARIAグループ和歌山オフィスは、JR和歌山駅東口から徒歩13分です。駐車場を1台分ご用意しています。郵送やオンライン面談にも対応していますので、遠方にお住まいの方もご相談いただけます。

ARIAグループがいちばん大事にしているのは、「その先」です。 いま孫に贈与しておくかどうかで、将来の相続での分け方や、他のお子さんとの関係が変わります。目の前の手続きだけを見て決めると、10年後・20年後にご家族が困ることがあります。司法書士法人ARIAグループでは、その先に起きることまで見たうえでご提案します。

ARIAグループには、司法書士・行政書士・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーがおります。法律・登記・不動産・保険・行政への届出まで、窓口ひとつでご相談いただけます。 実際の手続きは、司法書士法人ARIAグループ(登記・書類作成)、ARIA行政書士事務所(許認可・届出)、株式会社ARIA Partners(不動産の売買・仲介)がそれぞれ担当し、ご契約と費用は分けてご案内します。 相続税などの税務は税理士、紛争対応は提携弁護士がお受けします(いずれも当法人の司法書士業務とは別個の契約です)。

初回のご相談は無料です。

※本記事は2026年9月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。適用期限や要件は改正されることがあります。贈与税・相続税の計算や有利不利の判断、申告といった個別の税務は税理士をご案内します。農業委員会への許可申請・届出はARIA行政書士事務所が対応します。不動産の売買・仲介はグループ会社である株式会社ARIA Partners等の宅地建物取引業者、紛争性のある事案は提携弁護士をご案内します。いずれもそれぞれの専門家との別個の契約となり、当法人の司法書士業務を受任する条件とするものではありません。記載は執筆時点の法令に基づくもので、結果を保証しません。

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